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内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラのコンサートへ

11月8日(火)、サントリーホールで内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラを聴いた。恥ずかしながら、サントリーホールに来ること自体がおそらく15年ぶりくらいで、その意味でも楽しみにしていたコンサートである。


元々、私は内田光子とジェフリー・テイトが組んだモーツァルトのピアノ協奏曲の一連の録音を愛聴していたせいもあり、これは是非とも生で彼女の演奏を聴いてみたいと思ったのだ。


さて、今回のプログラムは以下の通りである。


モーツァルト/ピアノ協奏曲第17番

バルトーク/弦楽のためのディヴェルティメント

(休憩)

モーツァルト/ピアノ協奏曲第25番


4日の金曜日には第19番と20番のコンサートがあり、もちろん週末のほうが翌日の仕事のことを考えずに済むので気楽なのだが、私は17番と25番の両曲がとても好きなので、あえて火曜日のこのプログラムを選んだのだった。


オーケストラの弦楽器は8、6、6、4、2。チェロとコントラバスは左手、そして第2ヴァイオリンを右手に持って来る配置だった。管楽器はフルート1、オーボエ2、ファゴット2、ホルン2が基本である。


舞台に登場した内田光子さんは、日本人であれくらいの年齢の方としては割と背丈がありそうな感じの、すらっとした人だった。


このオーケストラは初めて聴いたが、小編成オケらしくすっきりと引き締まった響き。音色も中辛口の白ワインといった感じだ。対する内田光子さんのピアノは、CDで聴くのと同様、清々しく凛とした音色で、タッチも明瞭そのもの。このオーケストラとの親和性はとても高い。


全体的にきびきびとしたテンポで、特に急速楽章では、時にやや走りがちに聴こえるくらいの若々しい推進力を聴かせてくれる。それは緩徐楽章でも活きていて、まったくダレることなく緊張感を維持した音楽が、淀みなく流れていく。


聴いていてふと感じたのは、「やっぱりこの人は日本人だな」ということ。英国暮らしが長くとも、この几帳面な緻密さは、どことなく日本人の基本的性質を思わせるところがあったのだ。


第17番と25番で、大きなイメージの違いは正直なところ感じなかった。25番は17番に比べれば、より大きなスケール感を出せる曲だと思うが、この日の演奏は一貫して、スケール感というよりも溌剌とした若々しさをより強く感じさせるものだった。


それからひとつ、2曲のモーツァルトの間に挟まれたバルトークも秀演だった。サントリーホールで、これほど辛口のキリッとした音を聴くのは私自身初めてだったが、その超辛口のサウンドでもって、生き生きとしたスリリングなバルトークを体験させてくれたのである。例えるならブリュットのスパークリングワインといったところである。


この日のマーラー・チェンバー・オーケストラは、「サントリーホール=暖色系で柔らかくリッチなサウンド」という私の固定観念を見事に打ち砕いてくれた。これは大きな収穫。


それにしても久方ぶりのサントリーホールは、築30年というのが信じられないくらい綺麗で、日頃の手入れの良さを感じさせてくれた。木を多用した暖かい雰囲気はやはり格別で、せっかく関東に住んでいるのだから、もっと聴きに来ないともったいないと思わされた次第である。


そして最後に、この日の聴衆の集中力は見事なものだった。しんと水を打ったように静まりかえり、演奏中の咳やくしゃみといったやむを得ない生理現象すら、ほとんど聞こえてこない。きっとみんな、この日に備えて体調を整えてきたのだろう。


熱心で民度の高い(笑)聴衆に囲まれて美しい音楽を聴くのは、とても気分が良かった。大変リッチな時間を過ごせました。


by raccocin | 2016-11-19 17:49 | 音楽とオーディオが好き

今まで行ったコンサートをすべて記録しておくエントリ

自分は今までどんなコンサートに行ってきたんだろう、全部記録しておけばよかったなあという思いが、なぜか最近頭をよぎる。

そこで、過去に行ったコンサートをすべて思い出そうとがんばってみた。
もう忘れてしまっているものもあるかもしれないけれど、ほとんど思い出せたはずだ(たぶん)。

(* このエントリを初めに投稿した2010年7月以降のコンサートも順次追加していく。つまり、このエントリを私の一生涯のコンサート・リストにするのだ。 2015年1月11日追記)

ではとりあえず、以下にジャンル別に書いてみよう。

日時まで覚えていないものが多いので、必ずしも時系列に沿った記載ではないけれど、調べてわかったものについては年月も記載した。いっぺんに調べるのが面倒なので、気が向いたらボチボチ調べて追記していこう。

ひょっとしたら曲目が間違っているものもあるかもしれない。なんせ20年前からの記憶を掘り起こしたのだから。

クラシックがやけに多いが、その理由は、比較的コンサートに行く頻度が高かった20代から30代前半の時期に、私がクラシック音楽をよく聴いていたからである。ちなみに、10代の頃は洋楽ロック&ポップばかり聴いていた。

今の私は、主として洋楽ロック、ジャズ、クラシックの3つのジャンルを、ほぼ均等に聴いている。これらの間を行ったり来たりするのが楽しいのだ。


《クラシック》
◎ブラームス/ピアノ協奏曲第1番&交響曲第1番
エリザベート・レオンスカヤ(p)/ホルスト・シュタイン指揮/バンベルク交響楽団
サントリーホール
1990年4月28日

私が自分のお金で初めて行ったコンサート。1990年春、私はまだ21歳だった。
生のオーケストラが生み出す、暖かく分厚い響きに驚嘆したのを鮮明に覚えている。演奏も素晴らしかった。


◎ワーグナー:楽劇「さまよえるオランダ人」序曲
ムソルグスキー(ラヴェル編):組曲「展覧会の絵」
バーンスタイン:「ウエストサイド物語」より”シンフォニック・ダンス”
チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」
マイケル・ティルソン・トーマス指揮/ロンドン交響楽団(スペシャル公演:PMFO合同)
横浜アリーナ
1990年7月15日

このコンサートのことはすっかり忘れていた。2015年10月の今、ひょんなことで思い出し、やっと追記している。

このロンドン響のコンサート、本当なら指揮者はバーンスタインが務めるはずだった。しかし、彼は7月10日と12日の2公演を振ったところで体調を崩し、急遽米国へ帰国してしまったのだ。そこで代役を務めたのがティルソン・トーマスだった。

横浜アリーナという、クラシックのコンサートをやるにはどうかなあという会場ではあったけれど、あのバーンスタインの音楽が聴けると思ってとても楽しみにしていた。ところが会場へ行ってみると、目に飛び込んできたのは「バーンスタイン氏は体調不良のため帰国した」旨の看板。周りにいた人たちも、「なんだよ〜」とガッカリしていた。もちろん私もだ。ただし、この日のチケットは、たしか何かの懸賞で当たったタダ券で、懐が痛んでいない分ダメージは軽かったような気がする(笑)

かなり記憶がおぼろげだけれど、横浜アリーナという大きめの器だからといってPAは使っていなかったはず。しかしその分、音量は不足していた。響きの質に至っては、まあアリーナだから、という感じ。座席からして野球場のような椅子で、とてもクラシックを聴くようなところではないのだ。どんな演奏だったかも、ほとんど覚えていない。

結局、帰国直後の7月14日にバーンスタインは亡くなった(日本時間の15日にこのコンサートは行われていて、この時点では彼が亡くなったという知らせは誰も聞いていなかったのではないだろうか)。もう一方の雄というべきカラヤンも、前年の89年に亡くなっている。私がクラシックを聴き始めた翌年のことだ。カラヤンもバーンスタインも生で聴くことができなかったのは、本当に心残りである。

ついでに言うと、さらに翌年の91年にはマイルス・デイヴィスも亡くなっている。もうちょっと早くクラシックやジャズを聴き始めていたら、カラヤンもバーンスタインもマイルスも、みんな生で聴けていたのかもしれないと思うと、なんともやるせない気持ちになる。

それにしても、この1990年前後というのは歴史の転換点だった。89年夏に美空ひばりとカラヤンが相次いで死去、さらにベルリンの壁が崩壊し、米ソが冷戦終結を宣言。90年にはバーンスタイン死去、91年にはマイルス・デイヴィス死去、そしてソ連邦の崩壊。むろん音楽家の死と国際社会の激動との間に何の関係もないが、たしかに「ひとつの時代が終わった」と、誰もが思わされた日々だった。


◎マーラー/交響曲第9番
ジュゼッペ・シノーポリ指揮/フィルハーモニア管弦楽団
東京芸術劇場
1990年11月25日

芸術劇場のこけら落とし公演。
シノーポリは情熱的に指揮していたが、演奏自体は荒っぽかったし、ホールのささくれ立ったような乾いた響きと相まって、まったく楽しめなかった。

それでも終演後の場内はスタンディング・オベーション。日本の聴衆のレベルの低さに落胆した。


◎ベートーヴェン/ピアノ協奏曲第2番
シューベルト/交響曲第9番「ザ・グレイト」
マレイ・ペライア(p)/クラウディオ・アバド指揮/ヨーロッパ室内管弦楽団
サントリーホール
1991年3月30日

ベルリン・フィルを振っているアバドの姿はついに見られずに終わったけれど、この若きオーケストラとの演奏は、細部まで明晰、きびきびとしてフレッシュな素晴らしいものだった。


◎ブラームス/交響曲第1番他
大友直人指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
東京芸術劇場
1991年?

前半は女性ピアニストが出ていたような気もする。なにかコンチェルトでもやったのだろうか。
女性奏者ばかりでパワー不足のオーケストラ。ホールの響きも痩せているように感じた。これ以来、私はこのホールを見限った。(そんなこと言わず、今度また行ってみよう。 2015年10月追記)


◎R.シュトラウス/交響詩「ドン・キホーテ」
ブラームス/交響曲第4番
アンドレ・プレヴィン指揮/ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
サントリーホール
1991年9月29日

プレヴィンらしい暖かく優しい演奏だった。ブラームスの第2楽章では涙が出そうになった。


◎ベートーヴェン/交響曲第5番&交響曲第1番or第2番(?)
ジョン・エリオット・ガーディナー指揮/オルケストル・レヴォリューショネル・エ・ロマンティーク
サントリーホール
1992年秋

たしか2階席の左側で聴いていた。あまり印象に残っていないところをみると、普通の演奏だったのだろう。


◎ストラヴィンスキー/ペトルーシュカ
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」
ゲオルク・ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
神奈川県民ホール
1994年10月4日

初の生ウィーン・フィル。普通なら「ああ、憧れのウィーン・フィル初体験。思い切り感動してこよう!」というところかもしれないが、そこはへそ曲がりの私。

「たしかにCDだと良いけど、生演奏も良いのかどうか自分の耳で確かめてやる」くらいのものだった。生意気な若造です。

その結果は、彼らの抜群の上手さに圧倒されるしかなかった。
ショルティの、年齢(80代!)が信じられないくらい精力的な指揮のもと、一糸乱れぬ引き締まったアンサンブルを聴かせてくれた。


◎シューベルト/交響曲第8番「未完成」
ブラームス/交響曲第1番
ガリ・ベルティーニ指揮/シュトゥットガルト交響楽団
サントリーホール
1996年11月23日

ベルティーニが指揮中にコミカルな動きをしたのを見て、前方の列に座っていたおじさんが肩を揺すってウケていたのが記憶に残っている。


◎マーラー/交響曲第9番
ベルナルト・ハイティンク指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サントリーホール
1997年10月15日

ハイティンクらしい演奏だった。
はったりは一切なし、自然かつスケールの大きな音楽である。ウィーン・フィルのもちっとした美音も存分に楽しめた。

◎ワーグナー/楽劇「ヴァルキューレ」
ダニエル・バレンボイム指揮/ベルリン国立歌劇場
NHKホール
1997年11月

私にとって唯一の生オペラ鑑賞。狭いピッチに押し込められたオーケストラの音は団子状態だったが、生で聴くオペラ歌手の声は強靭でありながら、とても滑らかなものだと知った。


◎ブラームス/交響曲第2番他
クリストフ・フォン・ドホナーニ/クリーヴランド管弦楽団
サントリーホール
1998年5月20日

CDで聴くこのコンビのサウンドは、ひんやり、カチッという印象だったが、実際の音は、それとは似ても似つかぬ暖かくて自然なものだった。録音だけでは、その音楽家のことを判断できないことをあらためて認識した。


◎マーラー/交響曲第5番他
ウラディーミル・アシュケナージ指揮/チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
サントリーホール
1998年10月8日

ブラーヴォ! 厚く充実感のある成熟したサウンドに魅了された。演奏技術も非常に高く、大いに感心。アシュケナージの解釈がどうこういうより、とにかくオーケストラが素晴らしかった。特にプログラム後半のマーラーは圧倒的名演。


◎シューマン/交響曲第2番
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番
リッカルド・ムーティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
サントリーホール
1999年3月16日

名門ウィーン・フィルだからということで行ってはみたものの、2曲ともあまり好きな曲ではなく、さほど楽しめなかった。2階席の後ろのほうだったので、音もまろやかすぎて不満。


◎R.シュトラウス/交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」
ブラームス/交響曲第4番
ヘルベルト・ブロムシュテット指揮/ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団
サントリーホール
1999年5月11日

いぶし銀のサウンドとかを期待して聴きに行ったはずだけど、うーん、どうだったかなあ。たぶん普通の演奏だったんだと思う。


◎シューベルト/交響曲第8番「未完成」
ブルックナー/交響曲第9番
ギュンター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団
東京オペラシティ
2000年11月

ヴァントもブルックナーも実はたいして好きではない。ただ、老巨匠最後の来日コンサートになると思い、記念に行ってみた。

そういえば私の少し前の列に、以前上司だったS課長が座っていた。終演後のS課長はスタンディング・オベーション。普段は無表情な彼の嬉しそうな姿を初めて見た。音楽って素晴らしい。


◎バルトーク/「中国の不思議な役人」他
ピエール・ブレーズ指揮/ロンドン交響楽団
東京オペラシティ
2002年10月29日

調べてみるとこのプログラムのはずなんだけど、全然覚えていない。
ロンドン響って大したことないんだ、と思った記憶だけが残っている。

かつてこのオーケストラの音楽監督をしていたアバドは、マーラーの交響曲全集を録音するとき、手兵のロンドン響を使わず、ウィーン・フィルとシカゴ響を併用した。その理由が分かった気がした。


◎?/?
リッカルド・シャイー指揮/ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団
サントリーホール

正直、どんな演奏だったか、まったく覚えていない。曲目も思い出せず。


◎ブルックナー/交響曲第4番(?)
ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮/なんとか管弦楽団
オーチャードホール

ブルックナーのシンフォニーをやったということしか覚えていない。オーケストラ名も思い出せず。とても退屈だった。なんで行ったんだろう。


◎バッハ/管弦楽組曲第4番他
トレヴァー・ピノック(指揮&cemb)/イングリッシュ・コンサート
カザルスホール

前半にヴァイオリン協奏曲を演奏したはず(曲目は失念)。しかしヴァイオリン・ソロとオーケストラのピッチが合っておらず、聴いていて気持ちが悪かった。楽章の合間に何度もピッチを直していたけれど、最後まで合わず。

後半最後の管弦楽組曲第4番は生き生きとした素晴らしい演奏だった。
全体の印象として、古楽器のオーケストラも意外に音量があるのだと感じた。生で聴くチェンバロは優雅で丸い音がした。


◎ベートーヴェン/ピアノソナタ第30番〜第32番
アルフレート・ブレンデル(p)
サントリーホール

1階席の後ろのほうで聴いたため、音量的に物足りなかった。ブレンデルがベートーヴェンの後期3大ソナタを演奏してくれるという素晴らしいコンサートなのに、どういう演奏だったか、よく覚えていない。

アンコールに私の好きなバッハのコラール・プレリュード『来たれ、異教徒の救い主よ』をやってくれた。


◎モーツァルト/ピアノソナタ第11番他(たしか、きらきら星変奏曲とか)
ブラームス/間奏曲 作品118-2
リスト/超絶技巧練習曲から数曲
イーヴォ・ポゴレリッチ(p)
サントリーホール

後半から美智子皇后と紀宮様がご登場。私のすぐ脇の通路をお通りになられた。後でワイドショーを見たら、私もバッチリ映っていた。ちなみに私、テレビにはこれを含めて4回映ったことがあります。全部ちらっとだけど。

やっぱりブラームスの間奏曲が最高。濃密でロマンティックな響きにしびれた。


◎ベートーヴェン/ピアノソナタ第14番「月光」他
エウゲニー・キーシン(p)
オーチャードホール

聴衆は圧倒的に女性多数だった。ポゴレリッチにもその傾向はあったけれど、キーシンのほうが、より女性が多かった。男の私から見ると、ポゴレリッチのほうが断然カッコいいと思うけどね。

キーシンの指は1本1本の独立性が高いというか、いかにも「指が回っている」という風に見えた。

ルックスが良くて若い男性ピアニストのコンサートで女性客が多いのは理解できるが、一般的に言っても、オーケストラのコンサートよりピアノ独奏のコンサートのほうが、女性客が明らかに多い。たぶん、ピアノ学習者とか教師が大勢来るせいだろう。


ナレク・アフナジャリャン(Vc)
武蔵野市民文化会館 小ホール
2012年4月21日

武蔵野文化事業団が主催する超リーズナブルなコンサート。友の会に入会すると、さらにおトクに(笑) ご近所の方は是非。


清水和音(p)
かなっくホール
2012年6月9日

ベートーヴェンも「展覧会の絵」も、きわめて明快かつ娯楽性の高い演奏で楽しませてくれた。


◎バルトーク/「ルーマニアのクリスマスの歌」、組曲「野外にて」他
デジュ・ラーンキ(p)
武蔵野市民文化会館 小ホール
2015年7月10日

これまた武蔵野文化事業団のコンサートだ。友の会に入っている友人に誘ってもらった。この日はオール・バルトーク・プログラム。初めて聴く曲ばかりだったけれど、多彩な表情が楽しめる選曲をしてくれていて、存分に楽しめた。

でも、開演前に大きめの声で会話している人を若いおねえさんが振り返ってキッと睨みつける場面とか、「座席、蹴らないでくださいよ」と後ろの席の人に向かって怒るおじさんとかを見かけるにつけ、「クラシックのコンサートって、なんかギスギスしてんなあ」とイヤになったのも事実。もっとリラックスして楽しめないものかな。


エリン・ウォール(Sop)/リリ・パーシキヴィ(Alt)/東京音楽大学(Cho)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
NHKホール
2015年10月4日

2005年秋に聴いたエンニオ・モリコーネ指揮ローマシンフォニー以来の生オーケストラ鑑賞である。ちょうど10年ぶり。そんなに久しぶりとは、我ながら信じられない。そして恥ずかしながら、日本のオケを生で聴くのは、これがまだ2回目。

日本を代表するオーケストラの演奏は、ちゃんと上手かった。すっきりと垢抜けた響きで演奏される劇的なマーラーの世界。


エレーヌ・グリモー(p)
東京オペラシティ
2016年5月16日

前半は、彼女の"Water"というアルバムに収録された曲を中心に。ラヴェル『水の戯れ』、ドビュッシー『沈める寺』など水にまつわる曲たち。リッチで深みのある左手の和音に右手の洗練された華やかな音が重なり、フランス的な美を満喫。

後半はブラームスのソナタ。一転して、爆発的とも言えるエネルギーを感じさせる熱演。ピアノはやっぱり肉食の西洋人が発明した楽器なのだということをしみじみ実感。


内田光子withマーラー・チェンバー・オーケストラ
サントリーホール
20016年11月8日

サントリーホールに来るのは、なんと15年ぶりくらい…。
清々しく凛とした内田さんのピアノと、きりっと引き締まったオーケストラとの共演は若々しく溌剌としたものだった。

2曲のモーツァルトの間に置かれた『バルトーク/弦楽のためのディヴェルティメント』も秀演。



◎サー・アンドラーシュ・シフ

モーツァルト: ピアノ·ソナタ第17(16) 変ロ長調 K.57

ベートーヴェン: ピアノ·ソナタ第31 変イ長調 op.110

ハイドン: ピアノ·ソナタ ニ長調 Hob.XVI:51

シューベルト: ピアノ·ソナタ第20 イ長調 D959

2017321日 東京オペラシティ


シフが各国で開催してきた、名作曲家の後期ソナタを演奏する”Last Sonatas”。それが日本にやってきた形である。


ベートーヴェンとシューベルトに期待して行ったのだが、いざ聴いてみると、とりわけモーツァルトとハイドンに心奪われた。弾むように豊かな左手と、澄み切った音でよどみなく歌われる旋律。


正直に言うと、ここまでニュアンス豊かに弾ける人がいるものなのかと、私は驚いてしまった。何気ないフレーズにもデリケートな表情が満ちている。


アンコールも5曲と大盤振る舞い。「よっ、名人!」と思わず心の中で掛け声をかけてしまった。


*** クラシック 計30回 ***



《映画音楽》

エンニオ・モリコーネ指揮/ローマ・シンフォニー

東京国際フォーラム ホールA
2005年10月8日

モリコーネ先生が自作を自ら指揮して聴かせてくれるという夢のようなコンサート。
『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』、『ミッション』、そしてアンコールの『ニュー・シネマ・パラダイス』。美しい夜でした。

婚約者(今の奥さん)の婚約指輪を銀座で注文して、その足で一緒に行ったこともあり、思い出のコンサート。

*** 映画音楽 計1回 ***


《ジャズ》
◎キース・ジャレット・トリオ
神奈川県民ホール
1996年

◎同
オーチャードホール
2001年4月23日&24日

◎同
東京文化会館
2001年4月30日

◎同
新宿厚生年金会館

◎同
オーチャードホール
2010年9月23日

◎キース・ジャレット(p)
東京文化会館
1999年

とにかく好きなんです、キースが。最近は、あまりに聴きすぎたせいで食傷気味なので、たまにしか聴かなくなったけれど。なんだかんだ言って、この人は稀有な音楽家です。


◎ホリー・コール
オーチャードホール

同期入社で音楽好きの女性を連れて2人で行った。
これを期に仲良くなればしめたもの、くらいに考えていたような気がする。でも、いつもクールな彼女は、コンサートが終わっても依然としてクールなままだった。


◎ジョン・ピザレリ&ハリー・アレン、ダイアン・シューア・トリオ他
ゆうぽうと

3つのグループが交代で出てくるという、ミックスあられのようなコンサート。
ピザレリ&アレンのリラックスした余裕の演奏が楽しかった。


◎大西順子トリオ
ブルーノート東京(2回?)

ブルーノートが移転する前に1回と、移転後にも1回行ったような気がする。
大好きな演奏者というわけでもないんだけど。一時期よくアルバムを聴いていた。


◎サイラス・チェスナット・トリオ
ブルーノート東京

これもまた、なんで行ったんだろ。アルバム1枚すら持ってないのに。
たまに見る楽器配置だけど、ピアノを客席から見て右手に置いていた。サイラスは背中を客席に向け、ピアノの前方が時計の2時くらいの方向を向いていた。他のプレイヤーが見えなくて弾きづらくないのかな。


◎ロン・カーター・カルテット
ブルーノート東京

パーカッションのおじさんが、とても楽しそうにやっていたのが印象に残っている。この頃の私は、ロン・カーターというベーシストが、あのマイルスと一緒にやっていた偉大な人なのだという認識が浅かったようで、しっかり身を入れて聴いていなかった気がする。今思い返すと実にもったいない。


◎エルヴィン・ジョーンズ・ジャズ・マシーン
ブルーノート東京

エルヴィン・ジョーンズは年齢が信じられないような圧倒的エネルギーでドラムスを叩きまくり、ほとんど暑苦しいくらいだった。でも偉大なドラマーを生で聴くことができて良かった。

3人の管楽器奏者が、おそろいのヨレヨレTシャツを着ているのがみっともなかった。もっとカッコいい服装でやってほしい。音楽家も芸人なのだから、外観は大事だ。


ブルーノート東京
2014年5月22日

前年のキース・ジャレット・トリオでの最後の来日公演を聴き逃した悔しさを晴らすために(?)行ってきた。若い2人と組んだトリオのせいか、近年のキースとの共演時よりも快活で開放的な演奏に感じた。

*** ジャズ 計15 回 ***


《ポップ/ロック》
◎アラニス・モリセット
東京国際フォーラム ホールA
2004年9月

36歳にして初のロック・コンサート。10代の頃からロックを聴いていたのにね。

ベースの音量ばかりが大きくて、ギターは聴き取りにくいし、ヴォーカルも存在感が薄かった。PAが悪いせいで音楽が楽しめないという悲しい体験。


◎アヴリル・ラヴィーン
日本武道館
2005年3月

実は私、一時期アヴリルが大好きだったのだ。3rdアルバムは能天気すぎてがっかりしたけれど、1st&2ndは今でも時々聴いている。

曲・歌唱力とも、実にしっかりしていて大人である。今度はまた、少し翳りのあるアルバムを作ってほしいものだ。この日のアヴリル嬢はドラムを叩いたりピアノソロに挑戦したりと、いろいろな姿で楽しませてくれた。


ザ・ポリス
東京ドーム
2008年2月14日

まさかポリスを生で聴ける日が来るとは!
とにかく一言、役者が違う。


TOKYO DOME CITY HALL
2014年11月24日

名盤『こわれもの』と『危機』をステージで完全再現というから、これは必聴と思って行ってきた。ポリス同様、腕利きたちが繰り広げる演奏は文句なく楽しい。スケール雄大で華麗な音の絵巻を心から堪能した。


◎シンディ・ローパー
日本武道館
2015年1月20日

私は80年代ロック&ポップで育ったから、今のうちに当時のスターを生で観ておいたら、いい思い出になるなあくらいの気持ちで行った。

感想を正直に言うと、「まあまあ」というところ。大好きな"Time After Time"だって、家でじっくり聴いているときのほうが心に染みる。ロックやポップスのライヴというのは、かなりの部分「お祭り」だと再認識した。生身のアーティストが動いているのを観て、みんなで盛り上がって楽しむものだ。

それにしても武道館という場所は、音楽用に作られていないのだから当たり前かもしれないが、音楽を気持ちよく楽しめるところではない。椅子は狭くて硬く、内部は実に殺風景。肝心の音もたいしたことはないから、さっぱり気持ちが盛り上がらない。今後二度と行くことはないだろう。


TOTO
パシフィコ横浜
2016年3月4日

座ってじっくり聴こうと思っていたら、のっけからみんな総立ちなのでアレッとなった。私は立ってノリながら聴く気など毛頭ないので、開始30分くらいから着席。なのでステージはほとんど見えず。

音圧ばかりデカくて演奏のニュアンスはほとんど聞こえない、ひどい音だった。ロックコンサートなんて、しばらく行きたくないとまで思ってしまった。


国際フォーラム ホールA
2016年4月13日

天下の名盤、"Pet Sounds"をビーチボーイズの中心メンバーであるブライアンさんがステージで再現してくださるというコンサート。いやもう、「素晴らしい」のひと言。

ポップそのものという生き生きとしたサウンドを堪能した。ホール全体にポジティブなエネルギーが満ち溢れているような感覚。稀有な体験をさせてもらった。

*** ポップ/ロック 計7回 ***


《総括》
26年間で50回くらい行っているから、平均すると年に2回。よく行っていた時期とそうでない時期が混在しているから、まあそんなものだろう。

ところで、このエントリをお読みいただいた方の中には、「感想読んでても、この人あんまり楽しんでないじゃん」と思った方もおられるかもしれない。

とにかく私は、家でくつろいで聴く再生音楽が大好きなのだ。そのせいで、生演奏には少し辛めの感想を述べがちになるところがあるのかもしれない。コンサートというのは、基本的にある種のお祭り、イベントのようなもので、そんなにしょっちゅう行く必要を感じないというのが正直なところである。

「やっぱり音楽は生演奏に限りますよ」と言う人は多いけれど、そういう風に感じるのは、ステレオから出るいい音を聴いたことがないせいもあるのだと思う。私はオーディオが大好きなのだが、家でちゃんとした音で音楽が聴けるというのは本当に素晴らしいことだ。

オーディオの技術は日々進んでいる。そんなにバカ高い製品を使わずとも、大人の音楽ファンが真剣に聴き込むに値するサウンドを、現代のオーディオ機器は鳴らしてくれる。もっと多くの人に、ちゃんとしたオーディオを使ってほしい。
一度それを手にしたら、私の言うことの意味をよく分かってもらえるはずだ。いいステレオとは、音楽ファンの生活の質を劇的に向上させる、すぐれて今日的な道具なのだ。

音楽が大好きだけど、もっぱらスマホやPCにイヤフォンやヘッドフォンをつないで聴いているあなた。ここは是非、思い切って30万円、できたら50万円くらいをステレオに使ってあげてみてください。

人生が3割増、いや、ひょっとすると5割増くらい楽しくなりますよ。これ、ホント。

by raccocin | 2016-11-19 17:06 | 音楽とオーディオが好き


考えることが好きで、のんびり屋。5歳男児の父。音楽、映画、アート、コーヒー、それにワインを愛します。完全禁煙のお店も好き。


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