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PIEGA Premium 3.2 レビュー

2014年春にスピーカーを買い替えて、はや2年ちょっとが経過した。
いい加減に音も落ち着いてきたのでレビューを書いてみよう。我が家はリビングオーディオで、かつ幼稚園児の息子がいるため、ソファに座ってじっくり大音量で聴く機会が時々しか得られなかった。そんなわけで、こんなに時間が経ってしまった、とひとまず言い訳をしておく。

さて、そのスピーカーとは、スイスのスピーカー・メーカーであるPIEGAのPremium 3.2という製品だ。10cmウーファーを2発、それにPIEGA十八番のリボン型ツイーターを搭載した、スリムなフロアスタンディング・スピーカーである。今回はオプションのボトムプレートも追加して、足元の強化を図っている。

ちなみに、このPremium 3.2の前に使っていたスピーカーは、LINNのNINKAである。ペア25万円というお手頃な価格のトールボーイだが、その性能はなかなか優れていた。LINNらしい端正で実直なサウンドで、さまざまなジャンルの音楽をそつなく鳴らしてくれる頼もしいスピーカーだったのを思い出す。

Premium 3.2に買い替えたときのお店での試聴記は、こちらをご覧いただきたい。また製品の詳細なデータについては、代理店であるフューレンコーディネートのサイトを参照してください。

このスピーカーを駆動するのは、2010年に購入したLINN MAJIK DS-I。ネットワークプレイヤーとインテグレーテッドアンプが一体化した、とても使いやすい優れた製品である。NASはQNAPのHS-210Dを使っている。

この2年間というもの、MAJIK DS-Iのファームウェアがアップデートされるたびに音は少しずつ変わってきたし、他にもNASを買い替えたり、スイッチングハブを追加したり、また無線LANルータを交換したり、といったシステム上の変化があった。

当然ながらその度に音は変わってきているので、ここで私が述べるのは、基本的にはこの2年の間の平均的な印象だということを断っておきたい。

まず、NINKAから買い替えての第一印象は、「音が自然で伸びやか」というものである。NINKAは、コクのある音色を持つキリッとした音像を、どちらかというと奥行き豊かに展開するスピーカーだった。しかしPremium 3.2は、例えばヴォーカルやソロ楽器の音像がもう一歩前に出てきて、伸びやかに歌うのだ。そのうえで他の楽器群は一歩引いたところに自然に定位する印象である。

音色は特に高域の刺激感が極小で、ヴァイオリンなどの弦楽器も、きわめて自然かつきめ細やかな質感が特筆ものである。このあたりは、やはりリボンツイーターが効いているのではないかと思われる。

オーディオをやっている人たちの大きな悩みのひとつに、「高域がきつくて聴きづらい」というものがあると思うし、現に私自身も時々悩んできた音の要素である。そうした高域の質感に敏感な人たちに、このスピーカーは特に自信を持ってお薦めできる。

これほど質感の自然な音を出すスピーカーを使うのは私自身初めてで、それだけでも買って良かったと思うくらいだ。全身アルミで作られていてクールな外観なので、温度感も低いのではと想像する人がいるかもしれないが、むしろほんのり「暖色系」と言ってもいいサウンドなのも素晴らしい。

一方、低域も思いのほか充実感がある。10cmウーファー2発では心もとないと考える人も、音を実際に聴いてもらえれば納得してくれるだろう。密度感に優れた、これまた自然な佇まいを持つ低域がスッと出てくる印象で、高域とのバランスもほど良い。さすがにピラミッドのようにどっしりとはいかないが、フラットなバランスの洗練されたサウンドが眼前に展開されるのは、実に快適である。

中域については、輪郭に強調感のない自然な大きさの音像がポッと浮かぶ印象だ。ヴォーカルやソロ楽器は、左右のスピーカーを結ぶ線よりもいくらか前に出たあたりに定位し、伸びやかにリリースされる。

音場については、広がり、奥行き、高さ、それぞれがバランス良く展開する。我が家ではスピーカーと横の壁の間には30cm程しか空間がないし、2つのスピーカーの間には大型テレビも設置してある。そのため、この製品が持つ本来の空間再現性が多少損なわれているのではないかと想像する。

しかし、それでもNINKAより全体的に音場は豊かだし、特に高さの再現性については格段に優れていると断言できる。オーケストラを聴いても、コントラバスやティンパニ、トロンボーンなどの低音楽器が、きちんと高い位置に定位するのは気持ちがいい。

総合すると、とにかく質感や音の佇まいが自然できめ細やか、ほんのり暖かい音色、そしてストレスフリーとさえ言える伸びやかなサウンドが特徴のスピーカーである。

こんなことを書くと、ロックは聴けないのかと思う人もいるかもしれないが、そんなことはない。ギンギンにワイルドな音で聴きたい人には、不満が出ることもあるだろう。しかし、洗練度の高い落ち着いた音でロックをじっくり聴き込みたい人にとって、このスピーカーはロックを聴く新たな楽しみを与えてくれるに違いない。

もちろん、ジャズやクラシックのような生楽器主体の音楽を楽しむのに、この透明感と暖かみを兼ね備えたサウンドはうってつけである。

また、組み合わせるアンプやケーブルなどの選択次第で、かなりカチッとした高密度のサウンドに振ることができそうな端正さも感じさせてくれる製品である、ということは付け加えておこう。

最後に、外観については文句のつけようがないくらいスマートでエレガント。音を出していないときも圧迫感が皆無なので、私のようにリビングに置くのにも最適なスピーカーである。

優れたサウンドと洗練されたインテリア性を併せ持つPIEGA Premium 3.2。買って本当に良かったと思っているし、これからも長く付き合いたいと思わせる潜在能力の高さもうかがわせる。40万円前後の予算でスピーカーを探している人には、是非とも検討してもらいたい製品である。



by raccocin | 2016-07-31 17:08 | 音楽とオーディオが好き

パーヴォ&N響のコンサートへ マーラー/交響曲第2番「復活」を聴く

◎マーラー/交響曲第2番「復活」
エリン・ウォール(Sop)/リリ・パーシキヴィ(Alt)/東京音楽大学(Cho)/パーヴォ・ヤルヴィ指揮/NHK交響楽団
NHKホール
2015年10月4日

オーケストラによるコンサートは本当に久しぶり。ブログに綴った「コンサート歴」を遡ってみると、どうやら2005年秋に聴いたエンニオ・モリコーネ&ローマシンフォニー以来の生オーケストラ鑑賞らしい。ちょうど10年ぶりである。いやはや、随分とごぶさたしてしまったものだ。

初めに告白しておくと、私は長いこと、日本のオーケストラというものを信用していなかった。過去に日本のオーケストラを真面目に聴いた体験といったら、1991年に行われた大友直人&東京シティ・フィルハーモニックのコンサート、それから98年に発売されたデュトワ&N響によるCD、「プロコフィエフ/『ロメオとジュリエット』抜粋ほか」、この2つだけである。

正直なところ、それらは私になんら強い印象を残さなかったので、「日本のオケなんてこんなものか」という、今思うと大変失礼かつ浅はかな考えを持つに至ってしまったのだ。

中学生のときに洋楽ロックを聴き始めた私は、その後もクラシック、ジャズと聴く音楽の幅を広げていったけれど、基本的に西洋人が演奏する音楽ばかり聴いてきた。もちろん、例えば小澤征爾、内田光子、ヨーヨー・マ、チョン・キョンファなど、東洋人の音楽家たちも聴いてはきたが、彼らは指揮者や独奏者だ。オーケストラについては相変わらず西洋のものばかり聴いていたというのが実態である。

そんな私が、なぜ今回、N響のコンサートに出かけたのか。その理由は、ツイッターで指揮者のパーヴォ・ヤルヴィ氏をフォローしたところ、すぐにフォローバックしてくれたからだ。まあ実際には、ツイッターのアカウント管理などはマネージャーさんがしているのかもしれない。しかし、クラシック音楽家のアカウントからフォローされたのが初めてだったのもあって、結構嬉しかった。それで気分を良くした私は、「ではお礼にコンサート参りでも」となったのだ。我ながら、ものすごく単純である(笑)

さて、肝心の演奏についてだ。NHKホールに来ること自体が、97年のベルリン国立歌劇場による『ヴァルキューレ』以来で、私自身まだ2回目である。このホールはテレビで見ていると少し冷たい感じも受けるが、実際には思ったよりも暖かみがあったし綺麗だった。私が座ったのは1階席の最後列、中央やや右に位置する席である。

オーケストラは現代的配置ではなく、通常右側に来る低弦群を客席から見て左側に置いていた。弦楽器は左から第一ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第二ヴァイオリン。コントラバスは第一ヴァイオリンとチェロの背後に横一列に並んでいる。

さて、いよいよパーヴォが舞台に現れ、演奏が始まった。出だしからして、弦楽器が厚く暖かみのある音を聴かせてくれる。
ところで我が家のリビングには、LINN MAJIK DS-I とPIEGA Premium 3.2からなるオーディオシステムがあって、私は普段からそれなりのクオリティの音を聴いていると思っていたけれど、ステージから届けられるこの暖かく柔らかい響きは、やはり素晴らしい。あらためて生音の気持ちよさを実感した。

音と言えば、ここで断っておきたいのは、私にとってN響の生演奏は初めてだし、NHKホールにしてもオーケストラがステージに載った状態の音を聴くのは初めてなので、どこまでがホールの音で、どこからがオケの音なのか、まったくわからないということである。あくまでも、この日の私の耳にきこえた響きを感じたままに書いているのでご了承いただきたい。

ヴァイオリンはどちらかというと、すっきりとして歯切れが良い。この日の演奏は全体的に、ティンパニやシンバルなどの打楽器、それにトランペットなど金管楽器の華やかなアクセントが明快で、それが弦楽器の明晰な響きと相まってメリハリの効いたダイナミズムにつながっていた。

ところで、演奏を聴き進むうち、初めに感じた音の厚みや暖かみというものにもすぐに慣れてしまい、トゥッティなどはもう少し厚みがあってもいいのに、などと思い始めてしまう。実際、この日のN響はピラミッドバランスというよりも、もう少しフラットなバランスの音をきかせていた。良く言えば、すっきりとして垢抜けたサウンドだが、ここぞというときの低弦群の支えには、もっと堅固なものを求めたい気がした。

とはいえ、全体的に弦楽器の技術はかなり高い。私は欧米のオーケストラの来日公演も聴いてきたけれど(わずか20回弱…)、それらと比べても遜色はないだろう。むろんウィーンフィルだとか、「超」がつくような一流どころと比べたら負けてしまうが、私が聴いた海外オーケストラの弦楽器の平均的実力が、この日のN響よりも格段に優れていたとは決して思わない。

特筆すべきは中くらいの音量で弦楽器を歌わせる部分で、まるで氷の上を滑るような美しくしなやかなフレージングは、カラヤン・レガートならぬ「パーヴォ・レガート」と呼びたくなるくらいだった。

一方、管楽器については、もっと表情の豊かさが欲しかったというのが正直な感想である。こんなところでも日本人は、個の力量を発揮できる管楽器よりも、集団でやる弦楽器のほうが得意なのだろうかと妙なことを想像してしまう。マーラーの音楽は、管楽器がソロイスティックな技巧を披露できる聴かせどころをふんだんに用意しているけれど、N響の管楽器奏者たち、特に木管楽器の奏者たちは、どこか控えめに演奏しているようにきこえてしまった。

これは指揮者のパーヴォが、あえてそうしたバランスでやらせているのかもしれないが、やや物足りない。その点、私の愛聴盤であるパーンスタイン&ニューヨークフィルハーモニックの87年ライヴ録音では、管楽器が実にニュアンス豊かに歌っていて、とてもカラフルで生き生きした印象を与えるのだ。

また、バーンスタイン盤では天国的なまでに美しい第四楽章の冒頭も、このコンビがきかせる響きはどことなく現世的で、いまひとつ恍惚感に乏しい。トランペットの量感自体はたっぷりしているのだが、なにか楽天的なところがあり、祈りに満ちた厳粛さを感じさせてくれないのだ。

しかし終楽章の設計は入念で、長大なこの楽章を緩みなくダイナミックに演奏しきった。合唱にはやはり一層の厳粛な表情を求めたいが、音大の学生がやっていることを考えたら満足すべきなのだろう。そして何と言っても、パーヴォとオーケストラは、最初から最後まで引き締まったアンサンブルを保って、このスペクタキュラーな交響曲を一気呵成にきかせてくれた。

正直に言うと、それほど精神性の深い演奏とは思わない。しかし音楽の外枠をしっかり提示し、基本的にインテンポで流れを重視したその演奏は大変スマートな印象を与える。反面、第二ヴァイオリンやヴィオラといった内声部の表情は控えめで、立体感という点ではやや不満も残る。

とはいえ、マーラーのサウンドが持っている抜群の面白さを、透明度が高く洗練された響きでドラマティックに描いてみせてくれた。私はとてもリラックスした気分で、心から演奏を楽しんだし、日本を代表するオーケストラの高い実力を今頃になって認識することもできた(遅すぎる!)。

下衆な話で申し訳ないけれど、こういう上等な音楽とサウンドをS席でも9,000円程度で楽しむことができるのだから、もっとこのコンビの演奏を聴いてみたいと思うようになった。欲を言えば、このオーケストラの本拠地が私の大好きなサントリーホールだったら、とも思う。しかし、それは無い物ねだりである。

いや、むしろ最も演奏し慣れているNHKホールでの演奏こそ、N響の実力がいかんなく発揮されるのだろう。それに、ひとつのオーケストラをその本拠地とするホールで繰り返し鑑賞するという体験自体が、ちょっと想像しただけでもすこぶる魅力的だ。それは私の音楽観にも少なからぬ影響を与えるに違いない。

私にとって、日本のオーケストラを生で聴く2回目の体験は、すばらしく有意義なものとなった。パーヴォ・ヤルヴィ氏とNHK交響楽団には感謝の一言しかない。「どんな音楽にも虚心坦懐に耳を澄ませること」、その大切さをあらためて胸に刻んだコンサートになった。

by raccocin | 2015-10-12 11:04 | 音楽とオーディオが好き

ゴールデンウィークを振り返る スピーカー納品とかアンディ・ウォーホル展とか

このゴールデンウィークの休みは、いつものようにカレンダー通り。予想はしていたけれど、やっぱり4連休はあっという間だった。

3日はスピーカーの納品。前にも書いた、PIEGA Premium3.2である。
新品なので当たり前だが、まだまだ鳴り方が軽い。基本的には高域の純度が高い綺麗な音。低域も結構下まで伸びていると思う。ただ、中域の量感が控えめなせいか、ちょっとさっぱりし過ぎという感じがする。しかし、この辺はエージングが進めばどんどん良くなっていくだろうから、バンバンいろんな音楽をかけていこう。もう少し音がこなれてきたら、あらためて感想を書きたい。

4日はガス給湯器が壊れたので修理。3時間もかかったのでゲンナリした。しかし夜には『トランスフォーマー/リベンジ』を観て、スピーカーを強制エージング。 

5日は家でのんびりしたいと思ったのだが、鉛のように重い腰をエイヤッと持ち上げ、森美術館へ。前から絶対に行こうと思っていた『アンディ・ウォーホル展』を観るためだ。私など大して熱心なアートファンではないし、特段ポップアートが好きなわけでもないのだが、この人はやっぱりアート界のスーパースターだから是非観ておきたかったという、至極ミーハーな動機からである。

この日のお客さんは、私が普段行く美術展と比べると、若い人がとても多かった。やっぱり若い人はポップなものが好きなのだろうか。それと外国人、というか白人のお客さんも多めだった。 

それにしても、この展覧会は有名なキャンベル・スープやマリリン・モンローの肖像を初めとして、とにかくボリュームたっぷりだった。ひと通り見終えてお土産を買ったら3時間も過ぎていて、ちょっと疲れてしまった。私の前を歩いていた20代前半と思しきお姉ちゃんでさえ、「膝小僧、取れそう」と言っていたし。40代半ばの私の場合、後でしゃがんだら膝痛が(笑)

でも、キャンベル・スープにしろマリリンにしろ、こういう、特に意味が無さそうなものを繰り返し作るというウォーホルの姿勢は、とても面白いと思った。一つひとつは無意味と思える画像も、ズラッと並べられたのをじっと眺めていると、それぞれの文字や色彩の差異に目が行って、観る者はその中にスッポリと入り込んでしまうのだ。 

かつてウォーホルは、「なんでオリジナルじゃないといけないの? なんでノン・オリジナルじゃいけないんだ?」みたいなことを言ったらしい。
(But why should I be original? Why can’t I be non-original?)

しかし、このキャンベル・スープのシリーズなどは、一つ一つは単なる缶のコピーというノン・オリジナルなものでありながら、そこに小さな違いを与えてから(Chicken NoodleとかBeefとか)反復することによって、個々の作品の差異が明確に浮かび上がり、その結果、それらはみなオリジナルな存在になってしまうという逆説なのではないかと思う。 

モチーフに微妙な差異を与えて反復するという点では、ミニマリズムと共通するものがあるような気もする。そうやって考えると、例えばスティーヴ・ライヒの音楽なども、一種のポップアートと捉えることができるのだろうか。とかなんとか、他にも底の浅い考察をいろいろしてみたが、恥ずかしいから書かないでおこう。

ちなみに、お土産はクリアファイル2点(キャンベル・スープ、花)、キャンベル・スープのメモ、それにカーサ・ブルータスのウォーホル特集号のみ。Macintoshのリンゴ柄トートバッグには、かなり心惹かれたが、サイズが大き過ぎて出番が少なそうだからやめた。そう言えば、キャンベル・スープのマグカップも異様にデカくて買う気が失せた。これがアメリカン・サイズなのだろうか。
それから、私はキャンベル・スープのTシャツが欲しかったのだが、Tシャツはウォーホルの自画像のやつしかなかったので、がっかりした。キャンベル・スープかマリリンのTシャツを置いておいたらポンポン売れたはずなのに。 

6日、今度は食洗機が壊れたので修理。どうして、せっかくの連休だというのに、こんなに機械が壊れるんだろう。ツイテない。
だけど今の時代は、こうして機械が休日に突然壊れても、電話すればその日のうちに、または翌日くらいには来て直してくれるんだからいいよなあ、と感謝したのも事実。昔だったら翌週の平日がやってくるまで、じっと待たなければいけなかっただろう。

とまあ、こんな感じで、いろんな業者の出入りがあったから、いまひとつくつろげない連休になってしまった。でもスピーカーは無事入ったし、ウォーホル展だって、奥さんと子供を家に置いて1人で行かせてもらったのだから(!)、感謝しないといけない。 


* 土曜の夜にスピーカーが納品されたと思ったら、月曜の早朝に大きな地震が来たのでビックリして飛び起きた。慌ててスピーカーを確認しにいったが、無事だったので安心。やれやれ。

by raccocin | 2014-05-11 08:06 | 映画にアートにいろいろ鑑賞

スピーカー買い替えました!

先週末は家族3人で銀座へ遊びに行ってきた。息子は(男の子はみんなそうかもしれないが)電車が大好きで、だから今回は新横浜から新幹線に乗っていった。息子はこれが2回目の新幹線で、外の景色を眺めて楽しそうにしていた。

ところで、今回銀座まで出かけたのには訳がある。前回のエントリで書いたスピーカー買い替えの件について話を進めるためだ。前回、LINN MAJIK DS-Iを買ったときはサウンドクリエイト本店のほうにお世話になったが、今回は支店とも言うべきサウンドクリエイト・レガートのほうへ出向いた。実を言うと先々週末もここへ来て、とりあえずお店に常備されているピエガのPremium 1.2とTMicro 6をMAJIK DSMで駆動してもらい、比較試聴させてもらったばかりである。

このときのPremium 1.2の音は、一聴しただけで、どこかハイエンドな空気すら漂わせる洗練されたものだった。私はいきなり、これでも良いかなと思ってしまったくらいである。
TMicro 6も悪くなかったが、高域がきらびやか過ぎるように感じたのと、その立ち姿があまりにも長身スレンダーで見かけが頼りないのがネックになった。いかにも子供がイタズラして倒してしまいそうな雰囲気が漂っているのだ。それに、どうせピエガを買うなら、このメーカーの最大の特徴であるリボンツイーターを搭載したものが欲しいと思ったのである。

そこで今回、フロアスタンディングのPremium 3.2を用意してもらい、ブックシェルフのPremium 1.2と比較させてもらったのだ。店員さんから、同シリーズの5.2はどうかと聞かれたのだが、正直、予算オーバーだ。それに、MAJIK DS-Iくらいのアンプだったら、1.2か3.2くらいのスピーカーのほうが釣り合うような気もする。
また、ピエガの製品の中で、リボンツイーターを搭載している一番手頃な価格のスピーカーというと、現状ではこのPremium 1.2と3.2なのだし、やはりこの2機種から選ぶことにしたのだ。

さて、今回はレガートの1階で試聴させてもらった。駆動するアンプは前回の試聴と同じくMAJIK DSMだ。この製品は、私が現在使用中のMAJIK DS-IにHDMI端子を搭載した後継機だが、NASに入った音源を聴く分にはMAJIK DS-Iと同じ音(のはず)だから、試聴にはうってつけの環境を準備してもらったことになる。

いざ試聴に入ると、よそ様のNASの中から曲を選んで試聴するのが初めてだったので、ちょっと手間取ってしまった。自分が聴き慣れた曲を探すのに時間が掛かってしまうのだ。昔なら、自分のお気に入りのCDを持参すれば済む話だったのだが。時代は変わったのだということを、あらためて実感してしまう。

結局、『キース・ジャレット/ケルン・コンサート』、『TOTO/アフリカ』、『マイケル・ジャクソン/ビリー・ジーン』、『マーラー/交響曲第5番』、『ワーグナー/ラインの黄金』などを聴いた。
それにしても、NASの中にレッド・ツェッペリンのアルバムがひとつも入っていないのにはガッカリした。サウンドクリエイトにやって来る上品なお客さんたちは、ツェッペリンなど聴かないのだろうか。せめて『Ⅱ』と『Ⅳ』くらい入れておいてほしいものだ。

さて、試聴は、まず3.2から始めた。
『ケルン・コンサート』は、清々しい美音が眼前にスーッと広がって心地良い。元々、ECMレーベル自体が透明感のある美音系のサウンドだというのがあるにしても、これは静寂感と伸びやかさが両立された実に綺麗な音だ。

『ビリー・ジーン』のシンセ・ベースは量感&密度感ともになかなかしっかりしているので感心した。このスピーカーのスレンダーなボディからすると意外なくらいである。

『第5番』や『ラインの黄金』は、ヴァイオリンやソプラノがキンキンすることがなく滑らかだ。滑らかと言ってもツルンツルンではなくて、適切な粒子感または肌理の細かさを感じさせる滑らかさである。高域が細身になりやすいデッカレーベルの録音でこの音ならば、他のレーベルのクラシック録音でもイケそうだと私は思った。

次に、1.2につなぎ替えてもらい、先程と同じ曲を聴いて比較した。
聴き始めると、中域から高域にかけてある種の穏やかさがあり、こちらの方がつながり良くスムーズに感じたが、聴き進むうちにその印象は薄れていった。だんだん低域のほうが気になり、そちらに気持ちが引っ張られていたのかもしれない。先程の『ビリー・ジーン』のベースは、ややスリムで軽くなるし、『アデル/ローリング・イン・ザ・ディープ』では、キックの音がもたつき気味というか、今ひとつ歯切れが悪い。

奥さんに確かめてみても、「なんか重い感じがする」とのこと。
私の試聴前の予想では、ブックシェルフの1.2のほうが歯切れ良いサウンドを聴かせてくれると思っていたので、これは肩透かしを食らった感がある。

ただし、ひとつ断っておきたいのは、この日の1.2は、タンノイのクラシックな大型スピーカーの上にちょこんと載せられていたということだ。1.2とそのタンノイの間にはサウンドクリエイトオリジナルのボードが挟まっているとはいえ、純正スタンドを使ったときに比べたら、やはり音質的に不利だったに違いない。私は純正スタンドに載せた音を聴けるものと思っていたから、この点は期待はずれだった。

私はここでもう一度3.2の音を確かめたくなり、再び3.2につなぎ替えてもらった。先程から聴いてきた曲をいくつか聴き直すと、気持ちは固まった。やはり3.2にしよう。

久しぶりにブックシェルフを使うのも面白い気がしていたのだが、私はロックもジャズもクラシックも聴くし、ハリウッドのドカーン、ボカーンな映画だって観るのだから、いろいろなサウンドに幅広く対応してくれそうな3.2がフィットすると思う。それに、テレビの脇に置くことを考えると、フロアスタンディングのほうが視覚的にもハマるに違いない。

そんなわけで、今回の私のスピーカー選びは、『PIEGA Premium 3.2に決定いたしました!
試聴時に装着されていた、オプションのボトムプレートも付けてもらうことに。これは音質向上のためだけではなく、地震のことや息子にイタズラされることを考えると、しっかり踏ん張れるボトムプレートは必須だと思ったからだ。

黒とシルバーから色を選べる前面グリルについては、明るい雰囲気を狙ってシルバーにしてみた。スピーカーの間にあるクアドラスパイアのラック(QAVM)がチェリー&ブラックポールなので、シルバーのスピーカーが浮いた感じに見える心配はあるけれど。いざとなったら、クアドラのポールもシルバーに替えれば、より雰囲気も合うだろう。

それにしても、奥さんからスピーカー買ってもいいよと言われて、たったの2週間で決めてしまったのだから早業だ。そう言えば前回のMAJIK DS-Iのときも、決断するまでは早かった。それ以前の私なら、あれこれ調べていろいろ試聴して、じっくり悩んでから決めたはずだ。
でも、今までの私の人生を振り返ってみると、買い物に限らず、何でも長い時間をかけて悩んだからといって、必ずしもベストの選択ができたとは限らなかった。意外と、今回のようにスパッと決めたときのほうが良い結果が出たりするかもしれない。

さて、このピエガ君、我が家にやって来たら、一体どんな音を奏でてくれるのだろう。いや、あのエレガントでスレンダーな姿形は、ピエガ君というより「ピエガ嬢」とでも言うべきか(笑)

納期は未定だけど、うーん、楽しみ。

by raccocin | 2014-04-29 21:11 | 音楽とオーディオが好き


考えることが好きで、のんびり屋。5歳男児の父。音楽、映画、アート、コーヒー、それにワインを愛します。完全禁煙のお店も好き。


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